幸せの黄色いカナリア

 

H10年10月 1日

かごの中に鏡を置いてみた。

PICOの頭がふくらんで、くちばしをあーとあけている。

鏡をつんつん突っついたり、裏へまわったりしてみるが、

相手も同じ事をしてくるのでしまいに腹が立って、

ティーティーティーと鳴き出す。

夕方、鏡の中の相手に対して鳴き方が変わっていた。

チルチルチルチルと、くちばしを鏡にひっつけて、

愛をささやいているように甘い声で鳴くのだ。

こっちへおいでよ。一緒に遊ぼうよ。と言ってるみたい。

 

H10年10月 3日

巣草という、小鳥たちが巣を作るもとになる草を買ってきた。

上手に巣を作るかなと思ったけれど、くわえたまま、

きょろきょろきょとんとしている。

 

H10年10月 5日

テーブルの上に、バナナ、みかんなどを置いていると、

PICOはすぐその上に乗りたがる。

黄色のタオルの上、黄色のお菓子箱の上、とにかく黄色のものが大好き。

FAXの上に糞よけのために、黄色の布をかけていたが、

透明のビニール袋に変えたら、乗らなくなった。

 

H10年10月10日

かごの入口を閉めたままにしておくと、入口にへばりついて、

出してよ〜と言ってるみたいに鳴く。

開けると、即座に飛び出して来る。口移しで、ビスケット、

ごまなどを食べさせると、つばめのひなみたいに、

お口を最大にあけて食べる。

ちょっとじらすと、がっがっがっがっと、まるでアヒルか、

がちょうのような声を出す。

くちびるに、PICOのくちばしがあたる感触がとてもくすぐったい。

でもとても愛おしい。

お水、青菜などもかごの外で私の手から飲んだり、食べたりするようになった。

かごの中に菜差しを入れる時、あんなに指を怖がっていたのに。

 

H10年10月11日

のびをして、ぐ〜んと腕を上に伸ばしたら、

PICOがばたばたと羽ばたいて、指の先に止まった。

寝そべっていて足をちょっと動かした時、

足の指に飛んで来ることもある。

指を動かすと、くちばしでつんつん、攻撃?に来る。

勢い余って、手の人差し指、中指の間にすぽんとはまり、

PICOの柔らかい羽毛が指の腹に感じた。柔らかく、ふわ〜と暖かい。

 

H10年10月15日

PICOが我が家に来てから、毎日がとても楽しい。

じい〜っと見ていても、飽きるということがないのだ。

日に日にこちらに慣れてくる、というより、甘えてくる。

それが私をとても幸福な気持ちにさせるのだ。

PICO!と呼ぶと、後ろを向いていても、こちらの方へ向き直って、

ぴゅーと羽ばたき、頭の上にちょこんと飛び乗る。

どんな生き物だって、心が伝わるんだね。

PICO。PICOは私の宝だよ。

パソコンの前に座ると、PICOに背中を向けることになるのだけど、

バサバサと羽音を立てて、ディスプレィの上、マウスの上、

いろんな所に飛んでくる。

本を読んでいると、本の上にも乗ってきた。

PICOと遊んで〜、遊んで〜と言ってるのかな。

 

H10年10月20日

最近急に冷え込んできた。特に夜が寒い。

今まで、窓の横がPICOの寝室だったんだけど、

かごの上にかける布を二重に、すこし分厚いものにして、

私のベッドの横のドレッサーの椅子の上をPICOの寝室にした。

南国の子だからね。

PICO、寒いのは苦手だろうね。

 

H10年10月21日

きのう、ぐっすり眠れたのか、

きょうはいつもよりとっても元気がいい。

最近あんまり鳴かなかったのが、

また思い出したように朝からカンカンカンカン鳴く。

今までちょっと睡眠不足だったのだろうか。

PICOを寝かせた後も、シャワーを浴びたり、

ガタガタうるさくしていたからね。

ごめんね、PICO。

 

H10.12.24

ポテチ。

私の肩に乗って餌を食べる時は、いつもこんな風に鳴く。

ポテチ!ポピッ!ポテチテチ!

PICO、何て言ってるの?

おいしいな。おいしいな。と言ってるの?

きょうはクリスマスイヴ。

PICOは天使の生まれ変わり。

 

H11.1.2

きょうはPICOの見知らぬお客さんが来る日。

といっても、実家の両親なのだが、人見知りをするのだろうか?

それとも同じように肩の上に止まるだろうか。

そんな心配をよそに、PICOは父と母の頭の上に交互にとまった。

まるで、初めまして。PICOです、どうぞよろしく。

と言っているみたいに。

おせち料理を囲んでいる間、かごの扉を閉めていたら、

あけてよ、あけてよ

仲間はずれにしないで〜と言うように、激しく鳴いた。

 

H11.1.7

PICOの足の様子がおかしい。

廊下から居間に帰って来た時、傾きながら飛んでいるのだ。

まっすぐに飛べないで何か変!

くるくると旋回し、飛行機のきりもみ状態の落下とは逆に、

真上に上がっていく。

両足が赤く、特に左の足がおかしい。

PICOもすねを一生懸命、くちばしでさすっている。

どうしたの?PICO!

どこかに足をぶつけたのだろうか?

止まり木にじっとできないので、かごの中では眠れそうにない。

段ボール箱にタオルを敷きつめて、PICOをそっと寝かせた。

きょうは一晩中、ママが見ていてあげる。

安心しておやすみなさい。

寒いので、タオルの下には、貼るカイロを置いた。

 

2度目の換羽期(1〜2月)

また換羽が始まった。

地肌が見えて、痛々しい気がするが、短い羽根が生えてきて、

松ぼっくりみたい。

もうかわい〜い。

床に落ちた羽根さえ愛しい。換羽の間は、あまり鳴かない。

体力を消耗させないように、じっとしている。

 

H11.1.16

段ボールの中で、寝る場所を毎日変える。

見るたびに向きも変わっている。

寝相が悪いね、PICO。

起きると一番に、う〜ん、あっと言って、

扇子を広げるように羽根を足で伸ばす。

そして、PILULU!と、朝の第一声。

最近はくちばしに指を近づけても前のように、

きつくかまなくなった。

戦闘モードの時は、くちばしの先が、くっととんがって、

つつかれると痛い。

甘えモードの時は、くちばしの先が丸いように感じる。

全く痛くないのだ。

 

H11.2.1

PICOを起こしてから、もうひと眠りと思ったら、

バサバサバサッと勢いよく

私の部屋へ入って来た。

薄暗いのに、よく来たね…。

ママ早く起きて、PICOと遊ぼうよ〜。

ちょっと風邪気味だったが、だるさがふっ飛んだ。

 

H11.3.3

二度目の換羽もだいたい終わり、また元気よく鳴くようになった。

春はPICOの季節だもの。

青菜をかごの入口でじらしたら、首を伸ばして、落ちそうになり、

羽根を手を回すように、ばたばたと振った。

うわ〜落ちる〜と言ったように、大慌て。

PICOちゃん、鳥は翔べるのよ。

 

H11.3.15

ペットショップに餌を買いに行った。季節柄、

カナリアがたくさんいる。

PICOと同じような鳴き方だけど、顔つき、特に目が全然違う。

まだやっぱり、たっぷり愛されていないからかな。

目に愛くるしさがない。

心を開いていない、自然の中にいる小鳥。

PICOの仲間たち、みんないいおうちへ行けるといいね。

 

H11.3.23

PICOが我が家へ来てから、きょうでちょうど丸1年。

生まれたのは、もう少し前だけど、

去年よりひとまわり大きくなったかな。

羽根や足もずいぶんしっかりしてきて、たくましくなった。

でも鳴き方はまだ甘えん坊。

私が洗濯やトイレなどで、席を立つと、とたんに激しく鳴き出す。

MA〜MA、MA〜MA〜、OKAATYA〜N!!

信じられないようだが、はっきりそう鳴くのだ。

顔を洗っていると、背中に乗って歌ったり、毛繕いをする。

ドレッサーの前でお化粧したりドライヤーをあてていると、

子供のようにまとわりついてくるのだ。

前髪をカールしようとしたら、頭にへばりついてくる。

幸せの黄色いリボン。そんな歌か映画があったっけ。

空へ飛んで行かないなら、外へ出る時も一緒に連れて行くのに。

食べられるのなら、ローソクを2本立てて、PICOのために、

ちっちゃなケーキを焼くのにな。

PICO、いつもより、おいしい青菜とビスケットを食べようね。

 

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